灰泥屋

μマイクロ流体力学(序論)
古くて新しいゆっくり小さい流れ

市來健吾

古くて新しい、ゆっくり小さい流れの世界へ。粘性が支配するミクロな流体力学、その入口となる序論。

紙の本/Kindle/技術書典/BOOTH

青緑の背景に、粘性流体中の複数の球と、それらを回り込む流線を描いた図

小さく、ゆっくり流れる世界へ

慣性より粘性が支配するストークス流。流体を介して影響し合う多数の粒子。その数理とシミュレーションを、研究の歩みとともにたどります。

小さな流れを読み解く、三つの視点

低レイノルズ数の流れが一つの球を回り込む様子を流線で示した図

粘性が支配する流れ

低レイノルズ数のストークス流では、慣性より粘性が支配します。小さく、ゆっくりした流れを記述する基礎から始めます。

流体を介して相互に結び付く八つの粒子を線で表した図

流体を介する多体相互作用

一つの粒子がつくる流れは、離れた粒子にも届きます。多数の粒子が影響し合う流体力学的相互作用を考えます。

階層的に分割した計算領域に粒子と遠距離相互作用を配置した図

数式を計算へつなぐ

Stokesian Dynamics、多重極展開、Ewald法など、現象を数式からシミュレーションへつなぐ手法をたどります。

手描きの粒子軌跡、緑・黄色・赤の三部構成、多粒子シミュレーションへの展開を一枚につないだ図

三つの部でたどる、粒子と流れ

本書は三部で構成されています。第一部では流体中を動く多数の粒子、第二部では流体力学の基礎、第三部ではコロイド分散系と計算手法を扱います。現象の理解から数式による表現、計算方法へと段階的に進みます。

この本が向いている読者

  • 低レイノルズ数の流れ、コロイド、粉体、粒子沈降に関心がある
  • Stokesian Dynamics、多重極展開、Ewald法の背景をたどりたい
  • 完成した結果だけでなく、研究の試行錯誤や計算の組み立てにも興味がある

読む前に知っておきたいこと

本書は数式と研究資料を多く含みます。マイクロ流体デバイスを網羅する一般的な教科書ではなく、粘性流体中の多粒子問題と、その計算法に焦点を当てています。

数理シリーズ 第0巻〜第2巻

『μ流体力学(序論)』の表紙第0巻
μ流体力学(本書)
『音楽と数理 才能にたよらない耳コピ』の表紙第1巻
音楽と数理
『厳密な計算 ふたつの球のなめらかなダンス』の表紙第2巻
厳密な計算
中心テーマ 粒子と流れ 音と計算 二つの球と厳密計算
中心の問い 小さくゆっくりした流れの中で、粒子はどう影響し合うか 音の波は、どのように音符になるか 二つの球の相互作用を厳密に計算できるか
主な手法 ストークス流/Stokesian Dynamics/多重極展開 フーリエ解析/信号処理/プログラム Lambの一般解/漸化式/有理数演算